がんの検査

がんの診断

がんの診断は、肉眼や内視鏡、CT、MRI、エコーなど視覚的な情報で行われ、最終的には病理学的検査で確定されます。通常診察での血液検査や尿検査のみでは、進行したがんの存在を疑うことはできても、がんの診断を行うことはできません。
CEAやCA19-9といった腫瘍マーカーがしばしば測定されていますが、偽陽性(がんではないのに、異常値になること)や偽陰性(がんがあるのに、正常値になること)の可能性が高く、診断には用いることはできません(前立腺がんに対するPSA測定は例外的に診断に有用と考えられます)。
さらに、がんの診断のための検査は、がんが疑われる症状や異常所見がある患者のみに保険適応があり、『無症状』で健康診断のように検査を受ける場合にはがん検診や自由診療での対応となります。

当院のがん検診

当院では、胸部X線(肺がん検診)、便潜血検査(大腸がん検診)、PSA測定(前立腺がん検診)ががん検診で可能です。これらの検査は、狙った一つの臓器のがんのみの評価を行うことになります。これらの検査でがんを疑う異常所見がでた場合にはさらなる精査(CTや内視鏡検査など)へと切り替えます。
膵臓がんや胆管がんは一般的ながん検診では検出困難です。そのため、全身の癌を一つの検査でスクリーニングできると嬉しいと日々感じています。理想的には、どこの臓器にあるか判別(局在診断)ができ、早期がんの段階から診断できるものがあると良いです。

マイクロアレイ血液検査®

PET(-CT)検査は早期がんや管腔臓器のがんの診断の限界が指摘され、放射線被ばくや費用の問題もあります。そこで、開発・研究が進められているのが少量の血液や尿から診断するリキッドバイオプシーという技術です。まだ発展途上の検査であり、がんの局在診断や生存率の改善といった点でエビデンスが少ないのが現状です。そのため、検査で異常が出た時には、単一の臓器ではなく、全身の臓器の精査(CTや内視鏡検査など)を行わなければならないことや、偽陽性の可能性といったデメリットがあるでしょう。一方で、全身の早期がんを検出できる可能性を秘めており、注目すべき技術です。
現時点では、消化器がんに限られるも、局在診断ができ、膵がんや胆道がんといった現在のがん検診では検出困難ながんをより早期から検出可能といわれるマイクロアレイ血液検査®を当院では採用することとしました。費用は高額ですので、メリットとデメリットを十分に説明の上、希望者のみに実施したいと思います。

費用

診察料

初診料3600円、再診料2000円は別にかかります

消化器がんマイクロアレイ血液検査

検査費用:70000円